副業会社員・フリーランス向け ブログ収入を得た場合の税金の取り扱い

Last Updated on 2020年1月10日

近年、ネット上で自分のメディアを持ち発信することが容易になりました。

それに伴い「ネット上で文章を書く」ことによってブログ収入、主に広告収入を個人で得る人たちが出てきました。

ブロガー、アフィリエイターと呼ばれる人たちですね。

実際に稼げるかどうかはその人次第ですが、特に本業がサラリーマンで副業としてやっている人の場合、

「あれ、これって給与所得じゃなかったら何所得になるの?申告しなくていいのかな・・」と思う人もいるでしょう。

今日はブログ収入を得た場合の税金の取り扱いを見ていきます。

サラリーマンが副業として行った場合には「所得」が20万円を超えるかどうかをチェック

サラリーマンの場合、会社で年末調整を行ってくれるため基本的に確定申告の必要はありません。

(住宅ローン控除、医療費控除など確定申告でしか行えない控除については自身で確定申告を行うことになります。)

ただし、サラリーマンでも「確定申告を行わなければならない」人たちがいます。次に該当する人たちです。(国税庁タックスアンサーより抜粋)

  1. 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
  2. 1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
  3. 2か所以上から給与の支払を受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人(注) 給与所得の収入金額から、雑損控除医療費控除寄附金控除基礎控除以外の各所得控除の合計額を差し引いた金額が150万円以下で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円以下の人は、申告の必要はありません。
  4. 同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人
  5. 災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人
  6. 源泉徴収義務のない者から給与等の支払を受けている人
  7. 退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人

この中で、ブログ収入を得ている人たちが気を付けなければいけないのが2.と3.です。

ここに書いてあることは、給与所得以外に20万円を超える所得がある場合には自分で確定申告を行う必要があるということです。

注意すべき点は20万円を超える「収入」ではなく「所得」という点です。

収入とは基本的には売上です。個人事業主や中小企業の方だったら年商ともよく言いますね。

所得とは収入から必要経費を差し引いた額です。必要経費とは、ブログ収入を得るためにかかったドメイン代、レンタルサーバー代などです。

従って必要経費を差し引く前の収入(売上)で20万円を超えるかどうかで判定するのではなく、必要経費を差し引いた後の所得の金額で20万円を超えるかどうか判定します。

収入(売上)で20万円を基準と考えている方が多いようなのでご注意ください(ブログ収入以外の副業も同じです)。

なお、もし確定申告が必要となった場合には当該ブログ収入は「雑所得」となります。サラリーマンの場合、本業があることを前提としているため「事業所得」には基本的になりません。

フリーランスの方がブログ収入を得た場合

フリーランスの方はサラリーマンの方と違い毎年自分が得た収入について確定申告が必要となります。

従ってブログ収入の所得の種類が問題となりますが、事業規模で行っている場合には「事業所得」となり、それ以外は「雑所得」となります。

事業所得は雑所得と違って他の所得と損益を通算できたり、青色申告特別控除(65万円)、損失の繰越(3年)などの優遇措置があります。

このように優遇措置の多い事業所得ですが、その要件は営利性・有償性・継続性・反復性・人的、物的設備の有無などです。

難しい用語ばかりですが、簡単に言うと「本気でやっているかどうか」です。

通常「事業として」行うために必要な事務所などがあり、対価を得て継続的に行っているかどうかなど総合的に勘案されます。

例えば一日10時間くらいの時間を使って月数十万円~数百万円稼いでいるような「プロブロガー」だったら事業所得となるでしょう。

一方本業が他にある場合に空いた時間を使って行う程度であれば雑所得となります。

なお、フリーランスの方の場合には「20万円」の所得基準はないので金額にかかわらず基本申告は必要となります。

源泉徴収を行うASP(サービスプロバイダ)もある

ところで、ブログ収入は基本的に広告主ではなく仲介しているASP(サービスプロバイダ)から払われることがほとんどです。

大手ではバリューコマース、GoogleAdSense、A8.net、楽天アフィリエイト、Amazonアソシエイトなどです。

これらのASPから報酬が支払われる際、源泉徴収されるところとされないところとがあります。

税法上源泉徴収すべき報酬は個人に支払われる原稿料、弁護士などの専門家への支払など限定されていますが、その中に「外交員、集金人、検針人の業務に関する報酬・料金」というくくりがあります。

源泉徴収するASPはこの枠にあてはめて源泉徴収をしているところが多いようです。

(ちょっと意味合いが違う気もしますが。)

源泉徴収をされた場合には、確定申告で二重払いにならないよう差し引かれた源泉税を申告しましょう。場合によっては還付が受けられる場合もあります。

 まとめ

ブログ収入を得た場合の税金の取り扱いをまとめました。

景気の不安定さもあってか、ブログを始め副業をとっかかりとして事業を始める方も多いと思います。

今後海外に居住した場合のブログ収入の扱いの問題なども出てくると予想されます。

特にブログなどのネット資産から得られる収入は、時間も場所も問わないため国境をまたいだ場合に日本の税金の取り扱いが難しくなる面もあります。

これからブログ収入を得ようと考える方は課税関係を一度確認したうえで始めることをお勧めします。