国際相続とは?

「国際相続」とは?

国際相続とは、

  1. 相続をする人(被相続人)又は相続を受ける人(相続人)のいずれかに外国人が含まれている
  2. 被相続人の居住地、死亡した場所、相続財産の所在地、相続人の居住地等が外国である

場合をいいます。

国際相続というと外国人が必ず関係しそうなイメージはありますが、実際は被相続人、相続人すべてが日本人だとしても、資産が海外にあれば外国法が絡んできますので国際相続の範囲となります。

どのくらいの人が国際相続の予備軍なのか、調べてみました。

直近の統計では(平成27年)、海外在留邦人は約130万人(内60歳以上は約17万人)、在留外国人は約260万人(内60歳以上は約27万人)でした。(総務省統計局在留外国人統計、外務省海外在留邦人数調査統計による。)

60歳以上の方がすぐに相続となる可能性は高いとは言えませんが国際相続の予備軍は大体44万人程度でしょうか。

全体の相続に占める割合は少ないのかもしれませんが、対応できる税理士がまだまだ少ないのが現状です。

更に、平成27年度税制改正によって導入された国外転出時課税制度課税にもみられるように、課税当局は国外財産に対しての課税を強めているため今後重要な分野になってくると予想されます。

納税義務者と課税財産の範囲は年々広がってきた

平成12年3月末までは、相続人が非居住者(日本に住所等がない人)である場合には一律に国内財産のみが課税の対象とされて、国外財産は課税の対象外でした。

そのためこの制度を利用した国際的な租税回避行為が行われていました(武富士事件など)。

そこで財産をもらう人が日本国籍を有していて相続人、又は被相続人が5年以内に日本に住所を有している場合には、居住者と同様にすべての財産が課税財産となるという改正が行われました。

上記に加え、平成25年には日本国籍がなくても国内に居住しているしている場合にはすべての財産が課税財産とされる改正が行われました。この改正により国内に居住する場合には日本国籍がなくてもすべての財産に相続税が課されることとなりました。

これらの改正によってほぼ抜け穴はなくなったと思われます。

国際相続はコストも時間もかかる

国際相続は、以下の点においてコストも時間もかかるという特徴があります。

  1. 外国法を理解しなければならない
  2. 現地の実務家とのネットワークが必要
  3. 日本の公的証明(戸籍謄本、住民票等)に相当するものが外国にない場合がある
  4. 日本の相続税法で規定されている範囲外の資産(ジョイント口座等)の評価をどうするか

1.については資産ごとにどの法律に従って処理をすべきかという「準拠法」を決定するために必要です。

例えば、米国においては統一された相続に関する法律は存在せず、各州ごとに相続の取り決めが異なります。従って各資産ごとに準拠法が異なってしまうような可能性も出てきます。

2.についてですが、被相続人が海外に居住していた場合には相続人の確定、必要な裁判手続など現地での作業が必要となるため現地の実務家とのネットワークが欠かせません。やり取りは英語が中心となり意思疎通に時間もかかるでしょう。

3.についてですが、日本では当たり前とされている戸籍に該当するものが海外にはなかったり、相続人を確定するための書類を準備していかなければなりません。

4.についてですが、日本の相続税法で規定されている範囲外の資産をどのように解釈して課税の可否を考えていくかが問題となります。

例えば、海外でよく使われる共同名義人の口座であるジョイント口座は、共同名義人の一方に相続が発生した時にもう一人の共同名義人に所有権が自動的に移転されます。従って相続税法上の「相続財産」から除外されます。

その他、有価証券の中にも日本にはない形態のものがある場合があるので評価をどうするかなどの問題もあります。

まとめ

国際相続について注意する点をまとめてみました。

  • 日本の相続税法上の課税対象の拡大、国外財産の取り締まりの強化
  • 外国法の理解、現地のコミュニケーション等によるコストや時間の負担

国際相続の案件については対応している事務所もまだ少ないため早めに信頼できる専門家にコンタクトを取ることが大事です。

弊所でも相談の受付をしており、場合によっては専門家の斡旋も承ります。

 


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