所得税の前払である予定納税とは?ーフリーランスの方向け

Last Updated on 2020年1月10日

所得税の予定納税とは?

前年度に15万円以上の所得税の納税額(※1)がある方は、年2回所得税の前払いをしなくてはいけません。

これを所得税の予定納税と言います。

国が税金を安定的に確保するため、分割納付による納税者の便宜を図るためにこの制度があります。

(※1)予定納税基準額という。復興特別所得税を含む。前年の所得のうち、譲渡所得・一時所得・雑所得・雑所得に該当しない臨時所得・山林所得・退職所得がある方の場合はこれらの所得がなかったものとして計算した納税額

 

予定納税の納期

予定納税の納期は、以下のとおりです。

この期間に予定納税を済ませなければなりません。

第1期:7月1日~7月31日

第2期:11月1日~11月30日

 

予定納税額

第1期、第2期の予定納税額はともに予定納税基準額の3分の1です。

 

予定納税額の通知

その年の6月15日までに所轄税務署より書面により通知されます。

 

具体例

具体的な例で見ていきましょう。

例1)

予定納税基準額(前期の確定納税額):75万円

当期の予定納税額:第1期25万円+第2期25万円=50万円

当期の確定納税額:70万円

当期の納税額:70万円 – 50万円 = 20万円

【単位:千円】

この例から分かるように、第1期、第2期に分割して所得税を前払いしているため、確定申告時の納税額が抑えられています。

次に、確定申告時に還付される場合を見ます。

例2)

予定納税基準額(前期の確定納税額):75万円

当期の予定納税額:第1期25万円+第2期25万円=50万円

当期の確定納税額:40万円

当期の還付税額:50万円 -40万円 = 10万円

【単位:千円】

このケースは、前期より業績が悪かったため結果的に所得税の過払いが発生し、還付となる例です。

 

予定納税額の減額承認申請とは?

上記の例2)のように、

「前期よりも売上が落ち、その年の納税額が前期の納税額に満たない」

とあらかじめ見込まれる場合には、「予定納税額の減額承認申請」が認められています。

その年の6月30日の状況で、所得税の納税見込額が前年の納税額よりも少なくなる人は、税務署に届け出ることにより予定納税額の減額を受けることができます。

 

減額承認申請の期限

その年の7月15日まで(第2期のみの減額の場合には11月15日まで)です。

 

提出書類

「予定納税額の減額申請書」を所轄の税務署長に提出します。

フォーマットはこちら⇒ No.2040 予定納税|所得税|国税庁

 

予定納税で注意する点

所得税の予定納税で注意すべき点は資金繰りです。

税金を分割払いできるメリットはありますが、予期していないと急な支払いに慌ててしまいます。

前期の納税額から予定納税額を計算し、納税資金を事前に準備しておきましょう。