クラウド会計専門。ネットビジネス、海外取引対応可能な横浜で開業している女性税理士です。フリーランス・従業員10人くらいまでのベンチャー企業様を応援します!

会計帳簿・レポートって何のためにある?どう活用する?ーMFクラウドお使いの方の疑問にお応えします

近年、MFクラウドやfreeeなどの会計ソフトにより、会計の知識がない人でも会計帳簿を簡単に作れるようになりました。

会計帳簿の他にも、MFクラウドとfreeeには多彩なレポートが用意されています。

しかし、自動的に作れるようにはなったけれども、

「数ある会計帳簿やレポートが何のためにあるのか、1つ1つどのような意味があるのかが分からない。

そういったお悩みを聞くようになりました。

確かに、自動的にできるとは言っても何のためにあるのかが分からなければ意味がないですよね。

我々専門家にとってそもそもの「会計帳簿・レポートの意味」を問われたことは新鮮でした。

そこで、今日はMFクラウドを例に会計帳簿とレポートの意味を1つ1つ説明します。

(なるべく簡単に説明するために専門的な説明は省きます。ご了承ください。)

MFクラウドの会計帳簿

まずは、会計帳簿から。

MFクラウドの場合8つの会計帳簿があります(2017年4月現在)。

会計帳簿一覧

これらの会計帳簿は、全体をチェックするものと、細部をチェックするものとに大別されます。

活用の流れとしては全体をチェック⇒細部をチェックが有効です。

まずは全体をチェックする会計帳簿から見ていきましょう。

(重要度を☆、☆☆、☆☆☆で分けていますので参考にしてください)

全体をチェックする会計帳簿①残高試算表(重要度☆☆☆)

月次・年次締めや日々のチェックで必ず使用するのが残高試算表です。

残高試算表は、貸借対照表と損益計算書から成ります。

この2つの説明に入る前に、これらの会計帳簿の基礎となる「仕訳」について説明します。

仕訳とは、日々の取引の記録です。

その記録には一定のルールがあって、会計の5項目(資産・負債・純資産・収益・費用)が増えたか減ったかを左と右で表します。

(左を借方、右を貸方と言いますが特に意味はないので覚える必要はありません)

例えば、現金売上があった場合。

上のルールに当てはめれば、

となり左に現金、右に売上を記録すれば良いことになります。

左)現金××× 右)売上×××

これらの仕訳を集計したものが貸借対照表と損益計算書です。

まず、貸借対照表とは一時点での財政状況をチェックする帳簿です。

簡単に言うと、お金をどこから調達したか、それらをどのように運用しているかを確認できます。

MFの残高試算表だと項目が細かいので図で簡略化して説明します。

上記のとおり、純資産は資産と負債の差額です。

この金額が企業や個人の資金源となります。

純資産の額がマイナスになると負債が資産を超過している、すなわち債務超過の状態となり事業継続が困難となります。

次に、損益計算書とは、一定期間の儲けをチェックする帳簿です。

厳密にいうと簿記上は発生主義で処理するため増えたお金≒収益、必要となったお金≒費用で完全に一致はしません。

ただ小規模な中小企業や個人はほぼ一致すると考えて良いでしょう。

自分の事業がどれだけ資金源に余裕があるか、どれだけ儲かっているかを確認するにはまず残高試算表(貸借対照表、損益計算書)をチェックする習慣をつけましょう。

全体をチェックする会計帳簿②推移表(重要度☆☆☆)

個人的には、前述の残高試算表よりもこちらを習慣的に見ることをお勧めします。

推移表とは、前述の残高試算表を月ごとに示したもので、残高の推移を確認できる表です。

例えば貸借対照表科目でマイナスになるはずのない科目(現金など)がマイナスになっていないか、

損益計算書科目科目で突出した科目はないか、

そういったことをチェックできます。

気になった科目をクリックすることにより、細部をチェックする会計帳簿(総勘定元帳など)に飛ぶことができ、更に詳しい内容を見ることができます。

全体をチェックする会計帳簿②部門別集計表(重要度☆)

文字通り、部門別に残高試算表を見ることができる表です。

個人の方や、小規模企業の場合部門を分ける必要性も少ないと思われますので、使う機会はあまりないでしょう。

全体をチェックする会計帳簿③前期比較(重要度☆☆)

前期と当期の残高試算表との比較をできる表です。

前期と比べてどれだけ増減があるか確認したいときに使えます。

ただ、数値だけの比較なのでグラフなど自分で視覚化した方が見やすいと個人的には思います。

次に、細部をチェックする会計帳簿を見てみましょう。

細部をチェックする会計帳簿①仕訳帳(重要度☆)

まずは、仕訳帳から。

先に説明した仕訳を一覧にまとめたものが「仕訳帳」です。

借方(右)の科目、貸方(左)の科目、金額がそれぞれ表示されています。

仕訳帳

正直、それ以上でもそれ以下でもないというか。

あまり普段活用する機会はないでしょう。

仕訳を全部確認したい、というときくらいでしょうか。

会計帳簿②現預金出納帳(重要度☆)

現預金出納帳は、その名の通り現金と預金の入出金を一覧にしたものです。

銀行ごと・口座ごとの入出金の一覧を見ることができます。

特定の口座の入出金を一覧で確認したい場合には使うこともありますが、あまり普段使う機会はないでしょう。

会計帳簿③総勘定元帳(重要度☆☆☆)

総勘定元帳は、勘定科目ごとの増減を一覧にしたものです。

例えば以下は通信費の総勘定元帳を見た場合です。

通信の内訳(増えた、減った)を一覧で見ることができます。

総勘定元帳

こちらは勘定科目の残高の中身を知りたい場合に使います。

残高試算表で気になる科目をピックアップ⇒総勘定元帳で確認

というパターンで使う方法が有効ですので、覚えておきましょう。

会計帳簿④補助元帳(重要度☆☆)

補助元帳は、勘定科目の補助科目別増減一覧が見れるものです。

例えば、売掛金補助科目(相手先)別の増減一覧などです。

こちらも総勘定元帳と同様、残高試算表で気になる補助科目をピックアップ⇒補助元帳で確認

という使い方が有効です。

MFクラウドのレポート

MFクラウドには、会計帳簿の他便利なレポートが用意されています。

こちらも1つ1つ見ていきましょう。

レポート①キャッシュフローレポート(重要度:☆☆☆)

キャッシュフローレポートとは、月ごとの現預金の入出金の推移、つまり資金繰りの表です。

損益計算書と違うのは、現預金の入出金ベースで作成されているという点です。

個人事業主・中小企業にとっては非常に大切な表です。

緑の線が残高の推移で、青のグラフが入金、赤のグラフが出金です。

残高が下がり続けている場合には何らかの資金調達が必要となります。

役立てていただきたいのが、下の表です。

キャッシュフローは大きく分けて下記の3つとなります。

  • 営業キャッシュフロー・・・本業に関わる入出金。売掛回収、買掛金支払など。こちらが常にプラスになっていないと事業を回すのが難しくなります。
  • 投資キャッシュフロー・・・固定資産購入等の投資に関わる入出金。投資があった月は通常マイナスになります。
  • 財務キャッシュフロー・・・貸付・借入など財務に関わる入出金。借入金があるときは通常マイナスになります。

以上3つのキャッシュフローで見るポイントは、

  • 営業キャッシュフローがまずプラスになっているか
  • 投資・財務キャッシュフローでマイナスになった分が営業キャッシュフローでまかなえているかどうか

です。

なおこのレポートは実績なので、こちらを基に、できれば1年分の資金繰り予定表をエクセルなどで作ることをお勧めします。

月毎の大体のキャッシュの流れを確認して、いざというときに資金ショートさせないことが重要となります。

レポート②収益レポート(重要度:☆)

売上高の構成要素(補助科目別)を示したチャートです。

得意先が偏っていないか、確認する場合などに使えるでしょう。

補助科目を設定していない場合には見る必要はありません。

レポート③費用レポート(重要度:☆)

一定期間の費用の内訳を知りたいときに見ます。

自分が何にお金を使っているのかが視覚的に分かるので

費用の中身を見直したい、という方にはお勧めです。

レポート④得意先レポート(重要度:☆☆)

特定月の売掛金の相手先別の入出金と残高を見ることができます。

売上代金がきちんと回収できているか、相手先毎にチェックができます。

売上から代金回収までが重要なプロセスです。

こちらは毎月チェックした方が良いでしょう。

得意先レポート

レポート⑤仕入先レポート(重要度:☆)

特定月の買掛金の相手先別の発生額と支払額、残高を見ることができます。

仕入先への支払い漏れを防ぐためにこのレポートが使えます。

仕入先レポート

まとめ

長くなりましたが、MFクラウドで使われている会計帳簿・レポートについてそれぞれ意味と活用方法を説明しました。

いざ説明しようとすると結構難しいものですね(^^;

ポイントは、

  • 会計帳簿は全体をチェックするもの(残高試算表・推移表)で財政状況と儲けを確認⇒詳細は細部をチェックするもの(総勘定元帳・補助元帳)で確認
  • レポートで重要なのはキャッシュフローレポート。同時にできれば1年分のキャッシュフロー予測表をエクセルなどで作る

です。

是非便利な会計帳簿とレポート機能、ご活用ください。