Last Updated on 2023年4月5日
2021年から話題となっている、
唯一無二のデジタル資産である
NFT(Non-Fungible Token)の売買で税金が課されるタイミングを
解説します。
- NFTの売買で税金が課されるタイミングはいつ?
- NFTの経費はどんなものがある?
- NFTの所得区分は?
*ここで説明しているのは「個人の所得税」です(法人は考慮しておりません)。
目次
NFTの課税タイミング
NFTを暗号資産で購入したとき
「買ったときに課税されるなんて!?」
と思われる方も多いかもしれません。
しかし、
「暗号資産で商品(NFT)を購入した」
場合、
「一旦日本円にして、その日本円で商品(NFT)を購入した」
とみなされます。
したがって、
ETHでNFTを購入した場合、
ETH購入からNFT購入までに
ETHが値上がりしていたら、
通常の「利確」と同じ状況になるのですね。
例えば、
1ETH = 40万円のときに2ETH(80万円相当)を購入し、
その後1ETH=50万円のときに2ETH(100万円相当)のNFTを
購入した場合には、
その間の値上がり益20万円((50万円 – 40万円) * 2ETH )
が課税対象となります。
購入のタイミングはウォレット等の履歴から確認できますので、そのときのレートと合わせて把握しておきましょう。
NFTを売却したとき
NFTを売却して、売却益が出ている場合も課税タイミングとなります。
そのときの利益計算は、
NFTの売却額 – NFTの取得価額(いずれも日本円相当)
となりまます。
NFTゲームで暗号資産を稼いだ場合
NFTゲームで暗号資産を稼げる場合があります。
例えば、有名なところで言うとAxie InfinityやSTEPNですね。
AXSやSLP、GSTという暗号資産が稼げます。
この場合は、
暗号資産を稼いだ時点が課税タイミングとなります。
つまり、暗号資産を稼いだ時点がわからないと
日本円相当の額が把握できないのですね。
Axie InfinityのSLPの場合、画面を見ても「いつ」稼いだか
が確認できないため(残高のみ表示)、
Excel等で別途管理する必要があると考えられます。
※2023年1月追記:
国税庁が発表した「NFTに関する税務上の取り扱いについて(情報)」では、
獲得した暗号資産の計算方法として、以下の「簡便法」が認めるとされました。
シンプルに、増えた分(Earnした分)を差額で把握して、年末のレートで円に換算した金額を雑所得とすれば良い、ということですね。
- その年の 12 月 31 日に所有するゲーム内通貨(トークン)の総額 -その年の1月1日に所有するゲーム内通貨(トークン)の総額 -その年に購入したゲーム内通貨(トークン)の総額 = ゲーム内通貨(トークン)ベースの所得金額
- ゲーム内通貨(トークン)ベースの所得金額×年末の暗号資産への換算レート = 雑所得の金額
NFTの経費はどんなものがある?
NFTの経費には、次のものが考えられます。
これらは、上記で説明した収入から差し引くことができます。
ただし、プライベート兼用である場合には、
合理的な基準(PCであれば利用時間など)で按分する必要があります。
- 取引のためのGAS代
- ゲーム内でかかった費用(例:Axie InfinityのBreeding、Scholarshipの費用など)
- NFT取引を行うためのPC購入費
- NFT取引を行うための書籍・セミナー代
- NFTを販売するための画像編集ソフト購入費
- NFTの販売委託費用
NFTの所得区分は?
デジタルアートなどのNFTの販売については「譲渡所得」となります。
収入金額から取得費、譲渡費用、特別控除額(50万円)を差し引いた額に30%(5年超の保有の場合には15%)を乗じて、計算します。
継続的にNFTの売買を行なっている場合には、事業所得又は雑所得となります。
*2023年1月追記
ブロックチェーンゲームで稼いだ暗号資産については、「雑所得」と明記されました。
参考動画:
税理士である私も、Axie Infinityに挑戦しています。
まとめ
NFT(Non-Fungible Token)取引で税金が課されるタイミングを
解説しました。
ご不安な方は、個別相談またはメール相談をご利用ください。