クラウド会計は、「入力する」ものではなく、「データを取り入れる」もの。裏の「仕組み」を理解することも大切

Last Updated on 2019年12月8日

クラウド会計専門の税理士として約3年間、様々なお客様の顧問、単発の決算、導入支援を行ってきました。

そこでわかったのが、

「クラウド会計を使いこなしている人ほど、入力を行っていない」

ということです。

クラウド会計はデータを入力するものではなく、データを取り入れるものです。

「入力する」というマインドをなくし、

裏の仕組みを理解することが、重要だと思っています。

 

「経理にいた人」よりも、「データ思考のある人」が使いこなしていた

今まで支援してきたお客様で、

「この人はすごい使いこなしているな」

と思った人は、ほとんどが経理経験のない、けれどもデータ思考のあるITに強い人ばかりでした。

「データ思考のある人」というのは、いかに今あるデータを使いこなして

効率的に処理できるかを考えようとする人です。

逆に「紙」の名残を引きずっている経理経験のある人のほうが

なかなか「データを取り入れる」ということに慣れず悪戦苦闘しているように見えました。

 

 

データを「取り入れる」ことに慣れる

クラウド会計のfreeeとマネーフォワードクラウドは、「会計ソフト」という定義を超え、様々なソフトとの連携を

進めてきています。

APIの取組みなどがそうですね。今後効率的なデータ活用が更に進みそうです。

参考記事:

https://tomurazeirishi.com/freee-api-invoices/

クラウド会計を使いこなしている会社の中には、

 

会計処理はもちろん経費精算、給与計算、マイナンバー管理、算定基礎届作成、労働保険申告書作成、年末調整、法定調書

等をすべて自社で行っているところもあります。

「紙」で処理していることに慣れていると、つい「紙」を見ながら「入力」・・という

発想に陥りがちですが、「今あるデータを使えないか?」というデータ思考が

クラウド会計を使いこなすためには必要です。

 

紙の通帳ではなく、インターネットバンキング。

紙の請求書を郵送するのではなく、クラウド会計又は他社のソフトと連携してデータ化、クラウド共有。

身近なデータを効率的に利用してみるところから

クラウド会計を使いこなすコツがあると考えています。

 

簿記の知識と同じくらい、中の「仕組み」を理解することが重要

データを取り入れることも大事ですが、中で動く「仕組み」を理解することもポイントです。

本日も、クラウド会計freeeに関する質問がお客様からきました。

例えば、給与が二重で処理されてしまっている方がいました。

(給与計算確定時の自動仕訳と、口座からの引き落とし仕訳)

人事労務freeeと会計freeeへのデータの流れの「仕組み」を理解していないと発生してしまう問題です。

給与確定、仕訳の流れは以下のとおりです。

 

人事労務freeeにて給与計算確定

会計freeeにて自動仕訳が作成される(給与、預り金、未払金等が計上)

銀行口座から給与が支払われた際のデータが同期される

既に未払計上されているので、「未決済取引の消込」で未払金の消込処理をする

 

このように

操作はいたってシンプルなのですが、

簿記の知識が仮にあったとしても、

裏で起こっている「仕組み」を理解しないとなかなか正確な処理はできません。

ただその「仕組み」さえ理解できてしまえば、

システムに乗ることができ、

驚くほど業務を効率化できます。

クラウド会計を使いこなすもう一つのポイントは、

いかに現在の業務フローをクラウド会計の仕組みに合わせられるか

ということになるでしょう。

変えていくのは、システムではなく、今までの仕事のやり方

ということになります。

 

 

まとめ

クラウド会計は、「入力する」ものではなく、「データを取り入れる」ものであること。

そして裏で動いている「仕組み」を知ることが大事であることを説明しました。

まだまだ少数派であるクラウド会計ですが、

間接部門の業務効率化の鍵になっていくと確信しています。

まずは、身近なもののデータ化から取り組んでみてはいかがでしょうか。