便利な会計ソフトがあっても、それを使いこなすかは扱う人次第

Last Updated on 2017年5月25日

確定申告や決算の時期を迎え、お客様の会計データを確認することが多くなってきました。

私の事務所ではクラウド会計ソフト(freee、MFクラウド)を使っているお客様に特化しています。

お客様のデータを確認していて最近思うことは、

「もっと早く専門家に相談してくれていれば・・」

という状態になっているものが少なくない、ということです。

全自動、とは言われているが・・人のチェックは必要

クラウド会計ソフトの一つ、freeeは「全自動」型クラウド会計ソフトと言われています。

確かに、業種にもよりますが自動連携できる口座とクレジットカードのみ利用していれば設定をいくつかするだけでほぼ自動的に決算書はできあがります。

しかし、それをそのまま申告に使うのはリスキーです。

ソフトのマニュアルでは会計的な理解はできない

freeeやMFクラウドのサイトでは

  • 開始仕訳はこう処理しましょう
  • 従業員を雇ったらこう処理しましょう
  • 固定資産を買ったらこう処理しましょう

といったマニュアルはありますが、

「なぜこういった処理をするのか?」

「この処理は決算書にどのような影響を与えるのか?」

といった根本的な説明はされていません。

例えば、開始仕訳の処理について。

「事業開始前にかかった費用は「開業費」にしましょう」

と書かれていますが、なぜ開業費という費用っぽい項目が貸借対照表に計上されるのかすぐには理解できません。

「開業費は、開業後の活動にも貢献するため段階的に費用計上する。だから最初に資産として貸借対照表に計上する。」

ということをかみ砕いて説明されない限りずっと分からないままでしょう。

定期的なチェックは必要

個人事業を始めたばかりのフリーランス、起業したばかりの中小企業の社長の場合、最初から経理に人を雇う余裕はないでしょう。

かといって代表自身が経理などの間接業務に時間をとられるのは本業にも影響が出てしまい、問題です。

そういうときこそ専門家を利用してみてはいかがでしょうか。

ちゃんとした経理を雇おうとすると月数十万円の費用がかかりますが、専門家への依頼の場合月数万円で済む場合が多いです。

実際にクラウド会計ソフトを使ってお客様自身が1年間作成されたデータを見てみると、驚くほど不正確なものが多いです。

このような状態を正しい状態に戻すのには手間もかかりますし、余計な費用もかかってしまいます。

せめて事業開始されてからの数カ月間、年に1度の決算チェックはされることをお勧めします。

まとめ

クラウド会計ソフトが出てきて自計化のハードルが下がったのは事実です。

しかし、専門家として「正しい決算書を作るための指導」という0から1の仕事は残っているな、とは感じています。

どんなに便利な道具があっても、それを使いこなすかはその扱う人次第であることを痛感しています。

当事務所では

「クラウド会計ソフトで決算書を作ってみたものの不安・・」

「クラウド会計ソフトを契約したもののどうすればいいのか分からない」

などお悩みの経営者様に事業開始後の数カ月間、決算時だけのスポットサービスを行っています。是非ご興味ある方はお問い合わせください。