2021年分の年末調整のペーパーレスは承認申請不要。ただし、要件の確認が必要です

Last Updated on 2021年8月26日

2021年分の年末調整のペーパーレスは承認申請が不要となりました。

ただし、一定の要件をみたすことが必要ですので、解説をします。

 

  • 2021年4月1日以降に提出する年末調整書類のペーパーレスの承認申請が不要に
  • ペーパーレスを行うためには、一定の要件を満たすことが必要

 

2021年分の年末調整書類のペーパーレスの承認申請が不要に

2021年4月1日以前は、年末調整書類のペーパーレスを行うためには下記の「源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請書」というものを事前に税務署へ提出する必要がありました。

令和3年(2021年)度の税制改正によって、2021年4月1日以降に提出する以下の年末調整書類のペーパーレスの承認申請が不要となりました。

<申告書>

(*申告書に関してはすべてがペーパーレスの対象となりました。)

  • 扶養控除等申告書
  • 配偶者控除等申告書
  • 基礎控除申告書
  • 所得金額調整控除申告書
  • 保険料控除申告書
  • 住宅ローン控除申告書

<控除証明書等>

  • 保険料控除申告書(生命保険料(新・旧)、個人年金保険料(新・旧)、介護医療保険料及び地震保険料に限る。)
  • 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除証明書
  • 年末残高等証明書

 

承認申請制度廃止によって、会社はいつからでも年末調整書類のペーパーレス化を始められるようになりました。

 

年末調整書類のペーパーレス化の注意点

以上のとおりペーパーレス化はいつからでも始められるようになったのですが、

いくつか要件があるため注意が必要です。

 

申告書をペーパーレス化するための要件

申告書をペーパーレス化するためには、以下の2つの要件を満たす必要があります。

①データによる提供を受けるために以下のいずれかの方法を定めておくこと

  1. 勤務先にインターネット経由のメール等で送信する
  2. USBメモリ等に保存して勤務先に提供する
  3. (社内LANなどで)勤務先と作成者である従業員のみアクセスが可能な領域に年末調整に関する申告書データを保存する
  4. 社内LANにログインし、メール等で送信する

(注:1又は2により提出する場合には、提出データに電子署名を付すか、パスワードを設定する必要があります。)

②データにより提供する者の氏名を明らかにするために以下のいずれかの措置を講ずること。

  1.  従業員が申告書情報に電子署名を行い、その電子署名に係る電子証明書を申告書情報と併せて勤務先に送信する措置
  2. 従業員が、勤務先から通知を受けた識別符号(ID)及び暗証符号(パスワード)を用いて、勤務先に申告書情報を送信する措置。(具体的には年末調整の申告書データそのものにパスワードを付す場合のほか、社内LAN等に従業員個別のID、パスワードでログインし、その従業員のみに割り当てられた電子メールアドレスから送信する場合等も含まれます)

 

上記の他、以下の対応も必要です。

  1. 従業員がデータの提供を適正に行うことができるための措置
  2. 従業員がデータで提供を行う際に、勤務先がその者を特定することができるための措置
  3. 申告書に記載すべき事項についてPC等の映像面への表示及び書面への出力をするための措置

 

以上から見て分かるように、大きく

  • 会社がセキュリティを確保(パスワード付与など)してデータを受け取る体制ができているか
  • 提出された申告書が誰に作成されたかが確認できるか

の2点を満たす必要があります。

したがって、

  • パスワードがかけられていないデータをインターネット経由のメールで受け取る
  • 手書きの申告書をスキャンしたデータを受け取る
  • 誰が作成したか特定できないデータを受け取る

ことはペーパーレスの要件を満たしませんので注意です。

なお、クラウド系の年末調整ソフト(人事労務freee、マネーフォワードクラウド給与、Smart HR)は、

  • 勤務先と作成者である従業員のみアクセスが可能な領域(クラウド上)に年末調整に関する申告書データを保存(共有)
  • 従業員が、勤務先から通知を受けた識別符号(メールアドレス)及び暗証符号(パスワード)を用いて、勤務先に申告書情報を送信(クラウド上で共有)

するので、申告書をペーパーレス化するための要件を満たすと考えています。

 

控除証明書をペーパーレス化するための要件

2021年10月から、「保険料控除証明書」「年末残高等証明書」などの控除証明書もペーパーレス化の対象となりました。

ただし、ペーパーレス化するためには提出されたデータが以下を満たす必要があります。

  • 証明書に記載すべき事項が記録された情報
  • 発行者の電子署名及びその電子署名に係る電子証明書が付されたもの

具体的には、

  1. マイナポータル連携で取得した控除証明書データ(国税庁の無償ソフト「年調ソフト」で可能)
  2. 保険会社等のマイページからダウンロードした控除証明書データ

の2つの場合のみデータでの提出・保存が可能です。

  • 電子署名が付されていないデータ
  • 紙の控除証明書をスキャンしたデータ

は対象にならず、紙保存が必要となりますので注意が必要です。

 

まとめ

2021年分の年末調整のペーパーレスは承認申請不要ですが、要件の確認が必要であることを説明しました。

承認申請が必要だったときには、要件が承認申請書に記載されていたのでわかりやすかったのですが、

制度が廃止されたため要件を自社で確認する必要があります。

いまいちど要件を確認して、是非今年から年末調整のペーパーレス化、始めましょう。

 


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