新型コロナウィルス支援(融資・給付金・雇用助成・納税猶予・テレワーク支援等)についてまとめました(5/3更新)

Last Updated on 2020年5月3日

*2020年5月3日記事を更新しました。

 

コロナ感染症により大きな影響を受けている中小企業・個人事業主の皆様は

心配な日々をお送りのことかと思います。

このような状況を受けて、政府や各自治体で支援策が打ち出されていますが、

全体像が分かりづらいため当サイトで整理いたします。

【注】こちらの記事は2020年4月29日時点での情報です。
今後情報は逐次更新され、不正確な情報が含まれる可能性もありますので、
必ず各運営機関にお問い合わせの上ご判断をお願いいたします。

 

 

目次

新型コロナ支援の全体像

こちらでコロナ支援の全体像を、経産省 『新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ(PDF形式:1,131KB)』に基づき主なものを下記にまとめてみました。

まずコロナ支援は事業者(中小企業・個人事業主)と個人向けとに大きくわけられます。

事業者(中小企業・個人事業主)向け

事業者向けは大きく分けて

  • 融資(借り入れ)
  • 給付金(返す必要のないお金)
  • 雇用関連(事業主が受け取る従業員の休業補償金)
  • テレワーク導入支援(プロによる支援、補助金など)

に分けられます。

 

融資

*4/23更新

経済産業省より、資金繰り支援一覧表が公表されました。

こちらで受けられるサービスを検討していただくとスムーズです。

資金繰り支援内容一覧

コロナ関連融資は、経産省が実施する政府系融資と、各都道府県・市区町村が金融機関等の協力を得てあっせんする融資とに分けられます。

経産省が実施する政府系融資(信用保証付融資・日本政策金融金庫の融資)

セーフティネット保証4号・5号

セーフティネット保証とは、今回のコロナ危機等により経営の安定に支障が生じている中小企業・個人事業主に対して、通常時の保証協会付融資(信用保証協会の保証を伴う融資)の保証上限額とは別枠で2.8億円までの保証を受けられる制度です。

保証料率はおおむね債務の1%以内で、各信用保証協会及び各保証制度ごとにに定められています。

引用:中小企業庁:セーフティネット保証制度 概要

 

「4号」「5号」といった言葉はセーフティネットの段階を表す言葉で、

4号は「突発的災害(自然災害等)」、5号は「業績の悪化している業種(全国的)」に該当します。

引用:中小企業庁:セーフティネット保証制度 概要

4号、5号は別枠2.8億円まで保証してくれることは共通していますが、保証額と条件が異なりますので確認が必要です。

引用:経産省 『新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ(PDF形式:1,131KB)』p.5

4号については、全都道府県が対象となり、

5号については、対応業種が下記のページにて定められています。

中小企業庁:セーフティネット保証制度(5号:業況の悪化している業種(全国的))

 

問い合わせ先は、最寄りの信用保証協会となります。利用には金融機関、信用保証協会の審査が行われます。

お近くの信用保証協会|一般社団法人 全国信用保証協会連合会

 

現時点で融資している金額を返すことに不安を感じている事業者の方、

別枠で融資を受けたいと考えられている事業者の方

が検討していただければと思います。

危機関連保証

信用保証協会付融資につき、一般枠及び上記のセーフティネット保証額とは別に更に2.8億円の保証枠を定めたものです。

引用:経産省『新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ(PDF形式:1,131KB)』p.6

こちらは地域・業種を限っておらず全国・全業種(一部対象外で、詳しくは最寄りの信用保証協会にお尋ねとのこと)対象です。

問い合わせ先はセーフティネット保証と同じで信用保証協会となります。

お近くの信用保証協会|一般社団法人 全国信用保証協会連合会

信用保証付き融資における保証料・利子減免

セーフティーネット4号、5号、危機関連保証の適用要件と連動した売上高等の減少をした事業者に対して、実質無利子等が受けられる制度です。

こちらは令和2年度の補正予算の成立が前提であるため、今後事業内容が変更される可能性があります。

問い合わせ先は、中小企業・金融・給付金相談窓口となります。

 

無利子・無担保融資
■新型コロナウィルス特別貸付

日本政策金融公庫等が、新型コロナウィルスにより影響を受けた中小企業・個人事業主に対して実施する貸付制度です。

以下の特徴があります。

  • 信用力や担保に関わらず一律金利
  • 融資後3年間まで0.9%の金利引下げを実施
  • 据置期間(利子のみ支払う期間)は最長5年間
  • 資金の使いみちは運転資金(日々の事業活動に必要なお金)、設備資金(設備投資に必要なお金)いずれもOK
  • 担保は必要なし
  • 貸付期間は運転資金15年以内、設備資金は20年以内
  • 融資限度額:中小事業3億円、国民事業6,000万円

融資の条件は、次の①又は②のいずれかに該当する方です。

開業して間もない(3ヶ月以上1年1ヶ月未満)方でも、過去3ヶ月の平均売上、去年(令和元年)12月の売上、10〜12月の平均売上額と比較して5%以上減少していたら該当します。

業歴が浅いという方もご検討ください。

引用:経産省『新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ(PDF形式:1,131KB)』p.8

問い合わせ先は、日本政策金融公庫となります。

新型コロナウイルス感染症特別貸付|日本政策金融公庫

 

■商工中金による危機対応融資

商工組合中央金庫が、新型コロナウィルスにより影響を受けた中小企業・個人事業主に対して実施する貸付制度です。

内容・条件については新型コロナウィルス特別貸付と同様です。

問い合わせ先は、商工組合中央金庫相談窓口となります。

新型コロナウイルス感染症特別相談窓口 | 商工中金

 

■小規模事業者経営改善資金融資(マル経)

小規模事業者経営改善資金融資(マル経)とは、商工会議所・商工会・都道府県商工会連合会の経営指導員による経営指導を受けた事業者に対して、日本政策金融公庫が無担保・無保証人で融資を行う制度です。

引用:マル経融資(小規模事業者経営改善資金)|日本政策金融公庫

このマル経の金利が新型コロナウィルスの影響を踏まえ引き下げられます。

利用できるのは、最近1ヶ月の売上高が前年又は前々年の同期と比較して5%以上減少している小規模事業者の方です。

概要は以下のとおりです。

  • 資金の使いみちは運転資金、設備資金いずれもOK
  • 融資限度額は、通常の2,000万円に別枠1,000万円をプラス
  • 金利:経営改善利率1.21%(令和2年3月2日時点)より当初3年間0.9%引き下げ
  • 据置期間(利子だけを支払う期間)が、運転資金の場合1年以内⇒3年以内、設備資金の場合2年以内⇒4年以内に延長
特別利子補給制度(実質無利子)

3つの融資制度(新型コロナウィルス感染症特別貸付、マル経融資、危機対応融資)により融資を受けた中小企業者のうち、要件を満たす事業者には実質無利子の制度があります。

こちらは令和2年度補正予算の成立が前提となりますので、今後内容が変更になる可能性があります。

問い合わせ先は、中小企業 金融・給付金相談窓口となります。

セーフティネット貸付の要件緩和

セーフティネット貸付とは、経済的環境などの外的要因により、一時的に売上の減少などで業績が悪化しているが、中期的にはその業績が回復すると見込まれる中小企業者に対して日本政策金融公庫が融資を実施する制度です。

先程紹介した「セーフティネット保証」と似た言葉ですが、

セーフティネット保証があくまで返済できないときの保証に対して、

セーフティネット貸付は日本政策金融公庫が行う融資(貸付)制度となります。

引用:経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)|日本政策金融公庫

 

上記の「ご利用いただける方」には条件が細かく書かれていますが、

今回のコロナの影響を踏まえ、

「売上高が5%以上減少」といった数値要件にかかわらず、今後の影響が見込まれる事業者も含めて融資対象となりました。

上記の表の要件に当てはまらなくても内容によっては融資が受けられる可能性があります。

問い合わせ先は、日本政策金融公庫となります。

経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)|日本政策金融公庫

都道府県・市区町村の融資制度

各自治体が金融機関等と協力してあっせんする融資制度もあります。

2020年4月1日に、マネーフォワード社から「新型コロナウィルス支援情報まとめ」というサイトが公開されました。

新型コロナウイルス 支援情報まとめ | マネーフォワード

地域ごとに、融資、助成金、税制の支援情報を検索できます。

政府系以外の融資制度も検索できますので便利です。(法人・個人両方利用できます)

政府系融資だけでなく各自治体が金融機関と連携して行っている融資制度もご検討いただければと思います。

給付金(持続化給付金)

*2020/5/1更新 補正予算が成立し、申請受付がスタートしました。

新型コロナ感染症により特に大きな影響を受けている事業者に対して、一定の条件を満たした場合に給付金の支給がされます。

お知らせ動画

こちらで概要が説明されています。

対象となる事業者

中小企業、個人事業者で新型コロナウィルス感染症の影響により売上が前年同月比で50%以上減少している者となります。

前年同月比▲50%月の対象期間

2020年1月から2020年12月のうち、2019年の同月比で売上が50%以上減少したひと月について、事業者が選択できます。

つまり、いずれかの月で50%以上減少していれば対象になるということになります。

(なお、2019年中に創業・開業した、季節性収入がある、合併を行った、証拠書類を用意できない、事業承継を受けた、等の場合には、特例がありますので要領をご確認ください)

給付額

前年の総売上(事業収入) – (前年同月比▲50%月の売上×12ヶ月)で算出した金額となります。

上記の計算式のとおり、前年の売上と、50%以上減少した月の売上を1年換算した金額との差額が給付金となります。

上限

法人は200万円以内、個人事業者等は100万円以内となります。

申請時期

補正予算の成立後、1週間程度で申請受付が開始されます。

なお電子申請の場合、申請後2週間程度で給付されることが想定されています。

申請方法

下記のサイトからの電子申請を基本とします。

持続化給付金

必要に応じて完全予約制の申請支援を行う窓口を順次設置するとのこと。

なお、申請方法については下記の動画でも紹介されています。

申請要領

詳しい申請要領は、中小法人、個人事業者向けに用意されていますのでご確認ください。

中小法人等事業者向け(PDF形式:2,691KB)PDFファイル

個人事業者等向け(PDF形式:2,427KB)PDFファイル

申請期間

2021年1月15日まで

申請に必要なもの

住所や口座番号が確認できる通帳に加え、以下のものが必要となります。

<法人の場合>

  • 法人番号(こちらから検索できます)
  • 2019年の確定申告書別表一の控え(1枚)及び法人事業概況説明書の控え(2枚)
  • 減収月の事業収入額を示した帳簿等(売上台帳など)

<個人の場合>

  • 本人確認書類(マイナンバーカード、免許証など)
  • 2019年の確定申告書第一表の控え(1枚)及び所得税青色申告決算書の控え(2枚)
  • 減収月の事業収入額を示した帳簿等(売上台帳など)

税理士に記帳を依頼されている方は、早めに必要な資料を依頼しましょう。

問い合わせ先

中小企業庁 金融・給付金相談窓口となります。

 

 

雇用関連(厚生労働省)

従業員を雇用している事業者に対しての措置も公表されています。

雇用調整助成金の特例措置

雇用調整助成金とは、事業の縮小を余儀なくされた事業主が従業員に対して一時的に休業等を行い、雇用維持を図った場合に休業手当などの一部を助成する制度です。

助成額は大企業で1/2、中小企業で2/3となっています。

引用:雇用調整助成金 |厚生労働省

今回のコロナの影響を受けて、雇用調整助成金の特例措置が実施されます。

引用:「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ雇用調整助成金の特例を拡充します

また、雇用調整助成金の申請書類が簡素化されました。

(記載事項の削減、添付書類の削減、事後提出可能など)

雇用調整助成金の申請書類を簡素化します

具体的な条件、手続きは以下の簡易版をご参照ください。

雇用調整助成金ガイドブック(簡易版)令和2年4月13日現在

小学校の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援

令和2年2月27日〜3/31までの間に、コロナ対応として臨時休業等をした際、小学校等に通う子どもを世話するために休む必要があった労働者に対して有給休暇を取得させた事業主に対する助成金制度です。

申請期間は令和2年6月30日までです。

対象となる条件に関しましては、以下をご参照ください。

リーフレット(新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金)【詳細版】(厚労省HP)

保険料、納税等の猶予

厚生年金保険料等の猶予制度

事業について著しい損失を受けたことなどにより、厚生年金保険料等を納めることが難しい場合には、管轄の年金事務所を経由して申請することにより納付の猶予が認められる場合があります。

換価(公売)の猶予又は納付猶予が認められると、分割納付、差し押さえや換価の猶予、延滞金の一部免除がされます。

問い合わせ先は、最寄りの年金事務所となります。

全国の相談・手続き窓口|日本年金機構

換価の猶予|日本年金機構

税務申告・納付期限の延長

個人の所得税、消費税、贈与税の申告期限は、4/16までと1ヶ月延長されていました。

これに加え、4/16以降であっても事前に税務署へ申し出ることにより更に申告期限の延長をできることとなりました。

申告所得税、贈与税及び個人事業者の消費税の申告・納付期限が令和2年4月16日(木)まで延長されました|国税庁

 

国税の納付の猶予制度

事業収入が減少する場合に国税・地方税の納税猶予が認められます(原則1年間。担保、延滞税なし)。

*関係法案が国会で成立することが前提です。

参考:

新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な方へ|国税庁

税金を払うことが難しいという方は早めに相談されることをお勧めします。

↓こちらに猶予申請書のフォーマット、記載方法などが紹介されています。

新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な方には猶予制度があります(リーフレット)(PDF/716KB)

 

テレワーク導入支援

新型コロナウィルスの影響を受け、テレワークを導入した(しようとしている)事業者に対して行われる支援制度です。

テレワークマネージャー派遣(総務省)

テレワークのノウハウを有する専門家が無料で導入のアドバイスを実施する制度です。

実施期間は下記のNTTデータのページでは2020/3/31までとなっていますが、4/1以降も継続実施する予定とのことです。

コンサルティングは当面Web・電話で行われ、コンサルティング費用は無料です。

テレワークを導入したいけれど、何をすればよいのか分からない、という事業者は一度活用してみると良いのではないでしょうか。

詳細・お申し込みはこちらのページからできます。

テレワークマネージャーWeb・電話相談事業 | NTTデータ経営研究所

 

時間外労働等改善助成金特例コース(厚労省)

新型コロナウィルス対策として、テレワークを新規(試行導入も含む)で導入する事業者に対して支給される助成金です。

実施期間は令和2年2月17日〜5月31日で、支給額は導入費用の1/2(上限100万円)となっています。

内容・条件については、以下のリーフレットをご覧ください。

働き方改革推進支援助成金のご案内(新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース)

 

すでにテレワークを試行されている会社も多いかと思いますので、

申請の検討をしてみてはいかがでしょうか。

 

IT導入補助(経産省)

テレワーク含め、ITツール導入による業務効率化を図った事業者に対して、補助金が支給される制度です。

補助額は30〜450万円で、導入経費の1/2が補助されます。

2020年の1次公募は終了し、次回は6月頃を予定しているとのことです。

1次公募の概要は以下のページより閲覧できます。

IT導入補助金2020 1次公募(臨時対応) | IT導入補助金

 

各自治体のテレワーク導入支援

テレワーク導入支援は、各自治体でも行っています。

例えば、東京都では事業継続緊急対策(テレワーク)助成金の募集をしています。

引用:「事業継続緊急対策(テレワーク)助成金募集を開始します!」チラシ

 

今後、各自治体によるテレワーク支援制度が出てくる可能性もあるので、

情報はこまめに各自治体のHP等でチェックしておくと良いでしょう。

 

個人向け

フリーランスなど個人で働く方向けの制度もあります。

小学校等の臨時休業に対応する保護者支援

新型コロナウィルスの影響による小学校等の臨時休業に伴い、子供の世話のために仕事ができなくなっている子育て世代を支援する制度です。

令和2年2月27日から3月31日の間において、就業できなかった日について1日あたり4,100円を支援する内容です。

申請期間は令和2年3月18日から6月30日までです。

内容、詳しい条件などは以下のパンフレットに記載されています。

新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金(厚労省HP)

 

個人向け緊急小口資金等の特例

新型コロナウィルスの影響による休業等により、一時的に資金が必要な方への貸付制度です。

2020/3/25より申請受付が開始しています。

2つの種類があります。

緊急小口資金

一時的な資金が必要な方(主に休業された方)が対象です。

 

総合支援資金(生活支援費)

生活の立て直しが必要な方(主に失業された方)が対象です。

 

引用:経産省『新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ(PDF形式:1,131KB)』P.30

 

問い合わせ先は、お住いの市町村社会福祉協議会となります。

都道府県・指定都市社会福祉協議会のホームページ(リンク集)|全国社会福祉協議会

 

特別定額給付金

日本に住んでいる方すべてに対して、一人につき10万円が支給される制度です。

受給権者は、世帯主となります。

申請期限は各市区町村ごとに異なります。

下記のページにて各市区町村の対応状況が記載されていますので、ご覧ください。

総務省|特別定額給付金

 

まとめ

新型コロナ感染症に関する支援情報(融資・雇用・テレワーク等)をまとめました。

まずは自身が利用できそうな制度はなにか検討してみてはいかがでしょうか。

一刻も早く中小企業・個人事業主の皆様が安心して仕事ができる環境になることを願っています。

 

本記事で利用したWebサイト