Last Updated on 2021年3月30日
開業・設立したばかりの方であれば、決算をまとめているときに
『金額が合わない!』
と思ったことは一度はあるのではないでしょうか。
または逆に、税理士から
「金額は合っていますか?」
と聞かれて
何と何を合わせれば良いのか分からず
答えられなかった、
という人もいるかもしれません。
この
『金額が合っている』『金額が合っていない』
とはどういうことでしょうか。
目次
『金額が合っている』の意味
『金額が合っている』は、実は複数の意味があります。
整理して考えた方が良いでしょう。
証拠書類と数値が一致している
『金額が合っている』は、この意味で使っているケースがほとんどでしょう。
証拠書類とは、第三者(取引先、社員等)が関係するもので、自分ではコントロールできないものです。
例えば、
- 銀行預金→銀行預金通帳
- 売掛金→発行する請求書の金額
- 買掛金・未払金→受け取った請求書の金額
- 借入金→借入金の残高証明書
- 預り金(源泉所得税)→給与明細、外注先への支払明細
などです。
なお、「決算書と一致させる金額」でないそれっぽい書類もあるので注意です。
例えば、フリーランスの方などが得意先からもらう支払調書です。
この支払調書は支払側が税務署へ提出するもので、支払先への発行義務はありません。
しかも金額が合っているかどうかの保証もありません。
ですので支払調書の支払額を売上に、源泉徴収税額をそのまま確定申告書に記載することはお勧めしません。
支払調書は上記でいう「証拠書類」にはならないのです。
あくまで日々の売上、源泉徴収税額を自分で経理することが基本です。
証拠書類と決算書の「金額が一致している(合っている)」状態は、
正しい決算書の基本です。
まずはここから合わせていきましょう。
辻褄がとれている
2つ目の「金額が合っている」の意味は、
自社内のデータの辻褄がとれていることです。
例えば、
年度末の決算書の売掛金は、
売掛金台帳(得意先の売掛金明細)と金額一致している必要があります。
決算書の固定資産、減価償却累計額は
固定資産台帳の金額と一致していなければなりません。
もしデータ間で金額が異なる場合には、
どこかで仕訳登録の抜け漏れや集計ミスが起きています。
異常値でない
3つ目の「金額が合っている」は、
上記2つと異なり、「異常値でないか」といった感覚的なものです。
例えば決算書を見て
- マイナス残高がある(例えば現預金は資産科目なので、マイナスという状況はありえない)
- 思っていた売上・利益と乖離している
といった状況です。
決算書を見慣れていないとなかなか難しいかもしれません。
まずは上記2つの「金額を合わせる」ことを実施し、
異常値かどうかを見抜くスキルを徐々に身につけると良いでしょう。
クラウド会計では「金額を合わせる」必要がないケースも
クラウド会計では、いま挙げたうちの2つである
- 証拠書類と数値が一致している
- 辻褄がとれている
を意識する必要がないケースもあります。
例えば、同期している銀行預金、クレジットカードの残高です。
もちろん無視や対象外にしない、未決済取引の消込等の正しい操作が必要ですが
少なくとも「数値の入力間違い」は発生しません。
請求書もクラウド会計で作成、処理すれば入金管理、支払管理レポート(freeeの場合の名称)が自動的にできますので
自社内でのデータの辻褄が合わないということも発生しません。
上手く活用して、「金額を合わせる」ことから解消されましょう。
まとめ
『金額が合っている』『金額が合っていない』は、
よく出るフレーズです。
上記のとおり複数の意味があるので整理してみると良いです。