Last Updated on 2020年3月25日
2020年4月以降、経産省により整備された『GビズID』で、
社会保険等の手続きの電子申請を行うことができるようになります。
今までも電子申請システムはあることはあったのですが、この『GビズID』によって手続がしやすくなります。
社員の社会保険等を毎回紙で手続きをしていて
面倒と感じられている中小企業の検討をお勧めします。
引用:gBizIDマニュアルページより
目次
GビズIDとは
GビズIDとは、経産省によって整備された1つのID・パスワードで複数の行政サービスにアクセスできる認証サービスです。
IDは、無料で取得することができます。
大きな特徴としては、「電子証明書が要らない」という点です。
これまでも社会保険の手続を電子で行うことは可能でしたが、
有料の法人の電子証明書(有効期限あり)が必要であったため、
導入にはハードルがありました。
参考記事:
電子証明書が不要になったことで、多くの企業が電子申請を始めるきっかけになるのでは、と期待しています。
GビズIDで利用できる行政サービス
2020年3月現在、GビズIDで利用できる行政サービスは補助金、社会保険、保安等のシステムの6つです。
今後労働保険など、順次利用できるシステムを拡大していくとのことです。
引用:GビズID | Homeより
この中でも企業が多く利用すると思われるのが社会保険手続きの電子申請です。
資本金1億円超など、一定の条件を満たす特定の法人は2020年4月から算定基礎届けなど社会保険手続きの電子申請が義務化されますので、
それに合わせての今回このGビズIDが整備されたものと思われます。
参考:リーフレット「2020年4月から特定の法人について電子申請が義務化されます。」
IDの種類は「プライム」「メンバー」「エントリー」がありますが、
それぞれ申請できる手続が異なっています。
「エントリー」が一番下でひとまず登録できるアカウント、
「プライム」は法人の代表者又は個人事業主用のアカウント、
「メンバー」が従業員用のアカウントということで説明されています。
社会保険手続きには「プライム」アカウントが必要です。
GビズID申請に必要な手続
「プライム」アカウントに必要な手続は以下のとおりです。
gBizIDプライム申請書作成
GビズIDの公式ページより「gBizIDプライム作成」ボタンで申請書を作成します。
申請書の画面が出てきますので、必要事項を入力します。
法人の場合には法人番号を入力すると情報を自動取得できます。
申請書と印鑑証明書を郵送する
すべての入力が終わると、「申請書ダウンロード」というボタンが現れます。
ダウンロードした申請書を印刷して印鑑登録した実印を押印します。
この申請書と、印鑑登録証明書の2つをGビズID運用センター(申請書に住所が記載されています)に送付します。
おおよそ2週間程度で審査が完了し、登録したメールアドレスに連絡が来て、
SMS認証後、各行政システムにログインができるようになります。
まとめ
以上2020年4月から始まるGビズIDについて説明しました。
郵送が手間、と思われるかもしれませんが、
これまでの電子申請の複雑さ(有料の電子証明書の取得、ICカードリーダライタが必要、法務局に行く手間など)を考えたら大きな進歩です。
ただ、今回はIDが統一されるというだけで
申請に使うシステムはバラバラであることには注意が必要です。
例えば社会保険手続きの電子申請で利用するソフトは「届書作成プログラム」というシステムとなります。
ダウンロードページ:日本年金機構が提供する届書作成プログラムを利用する場合|日本年金機構
(GビズIDによる届書作成プログラムは2020年4月1日公開予定とのことです)
社会保険手続きに手間を感じている方の参考になれば幸いです。