Last Updated on 2021年6月24日
7月は、社会保険の算定基礎届(従業員のお給料から徴収する社会保険料を決定するための届出)を提出する月です。
この算定基礎届は、紙による提出のほか電子申請による方法もあります。
以前こちらの記事で電子申請の方法を書きましたが、
事前に法人の電子証明書が必要となることがネックでした。
しかし2020年4月に、『GビズID』というものができ、
こちらを使えば法人の電子証明書がなくても、社会保険の手続ができることとなりました。
GビズIDについての記事はこちら↓
今回このGビズIDで算定基礎届を提出するための手順と、
今までのやり方との違い(どれだけ簡略できるようになったか)を紹介します。
目次
作業の流れ
従前からの変更点を図でまとめました。
GビズIDを使わない場合
GビズIDを使わない場合には、届出書作成プログラムというソフトでCSVファイルを作成し、別のシステム(e-Gov)に取り込んだ上で電子署名を行い、申請する必要がありました。
GビズIDを使う場合
GビズIDを使う場合には、届出書作成プログラムでCSVを作成し、GビズIDに紐づけて送信ができるため作業が簡略化されます。
電子証明書による電子署名も必要ありません。
必要なものはGビズIDと、届出書作成プログラムのみとなります。
具体的な手順
届出書作成プログラムでCSVファイルを作成する
まず、「届出書作成プログラム」というものをダウンロードする必要があります。
(Windowsのみ対応ですのでご注意ください)
下記の日本年金機構のホームページからダウンロードができます。
ダウンロードすると、次のアイコンができますので、クリックします。
初期設定をする
下記のような起動メニューが立ち上がりますので、「届書の作成」を選びます。
初期設定ウィザードが表示されますので次へ進みます。
管理情報設定画面が表示されますので、納入告知書等をもとに、事業所整理記号などを入力します。
(なお、事業所整理記号は例:で書かれているように数字と文字をハイフンで区切らなければエラーとなります)
続いて、事業所情報を入力していきます。
設定情報を確認して、初期設定ウィザードは完了です。
被保険者情報を編集する
続いて、メニュー画面から被保険者情報を編集する⇒画面で編集するを選択します。
登録被保険者情報編集という画面がでてきますので、「追加」ボタンを押します。
被保険者の登録画面が出てきますので、氏名、生年月日、報酬月額等の情報を入力していきます。
届書を編集する
被保険者情報の登録が終わったら、メニューの届出書を編集する⇒最初からを選びます。
届書作成を選択⇒申請書形式で追加する⇒算定基礎を選びます。
先程作成した被保険者情報を呼び出し、算定基礎届を作成します。
登録を行うと、届出書ファイル(.jkk拡張子)ができますので、わかり易い場所に保存します。
提出ファイル(CSVファイル)を作成する
次に、年金事務所へ送るファイル(CSVファイル)を作成します。
メニューから提出ファイルを作る⇒電子申請用を選びます。
先程作成した届出書ファイル(.jkkファイル)を呼び出します。
作成年月日等を確認して、自分が分かる場所に保存します。
なお、以下の総括表が印刷できる画面が出てきますのでPDF化しておきましょう。
これで送信するCSVファイルが出来上がりました。
GビズIDでログインして、送信する
起動メニューに戻って、「届書の申請・申請状況の照会」を選びます。
法人番号を入力する画面がでてきますので入力します。
マイナンバーカード認証基本情報は、今回GビズIDで申請するので入力の必要はありません。
認証方法はGビズIDを選択します。
処理選択画面が出てきますので「届書の申請」を選びます。
先程保存したCSVファイルを選択します。
総括票の画面が出てきますので、必要事項(事業所の所在地等)を入力します。
ここから同じ情報を何度も入力することになるので根気が必要です。
提出先の年金事務所を都道府県から選択します。
そしてまた、これでもかと入力画面が続きますので入力していきます。
ひととおり入力すると、ようやく最終確認画面がでてきますので、申請ボタンを押します。
すると、GビズIDのログイン画面が出てきますので、IDとパスワードを入力の上ログインします。
最後の最後で紐付けているようですね。
ログインの上申請をすると、申請完了画面が現れます。受付番号を控えておきます。
なお、申請したデータはメニューの「申請状況の照会」画面から状況が確認ができます。
最終的に到達できたかを確認しておくと良いでしょう。
まとめ
GビズIDを使って算定基礎届の電子申請を行う手順を説明しました。
電子証明書が必要ないということと、
届出書作成プログラムのみで申請が完結
できるのはメリットと感じましたが、いまだ入力事項は多いため
パッとできるものではないと認識しておいたほうが良いです。
とはいえ、今後社会保険以外の手続きもできるようになる
可能性もあるため、GビズIDはとっておいて損はないと考えます。