Last Updated on 2021年8月7日
クラウド会計freeeでは、納税額を試算する機能があります。(2021年8月現在は、法人のみ)
出典:当期の納税額の試算を行い資金繰りに活用する – freee ヘルプセンター
本記事では、納税額試算機能の使い方と、その注意点を解説します。
- freeeの納税額試算機能とは
- freeeの納税額試算機能の注意点
目次
法人が納める税金
法人の場合、
- 法人税
- 法人住民税
- 消費税(課税事業者のみ)
を決算月の末日から2ヶ月以内に納める必要があります。
法人税・法人住民税(均等割以外)は税引前利益に応じて金額が変わりますが、
法人住民税(均等割)は資本金と従業員数によって定額です。
消費税は基本的には預かった消費税から支払った消費税を差し引いた金額を納めます。
freeeの納税額試算機能とは
freeeには、法人税・法人住民税・消費税の納税額を試算する機能があります。
レポート⇒資金繰りレポートを開き、「納税額試算」ボタンを選択します。
前提条件(税引前利益、資本金等の額、従業員数)を指定すれば、試算結果が下に表示されます。
税引前利益は何も指定していない場合、登録されている数字になります。
もし今期のおおよその税引前利益が分かる場合には、「手動入力」を選んで入力しましょう。
資本金等の額と従業員数は法人住民税(均等割)に影響が出ますので正しく指定します。
納税額試算の注意点
以下、この機能を使う場合の注意点を記載します。
法人実効税率は一律で計算されている
説明書きにもありますが、法人税・法人住民税(均等割以外)は一律税引前利益の33.58%で計算されています。
概ねの金額は計算できますが、実際は課税所得の金額によって法人実効税率は変わりますので注意が必要です。
例えば下記は神奈川県横浜市・資本金1億円以下・超過税率適用なしの所得別の実効税率です。
均等割は別にかかります。
freeeで提示されている33.58%は大体所得が3,200万円程度でしょうか。
これ以下であれば、もう少し実効税率は下がります。
所得金額 | 実効税率 |
400万円 | 22% |
800万円 | 24% |
2000万円 | 32% |
5000万円 | 35% |
1億円 | 36% |
5億円 | 37% |
後述する税務調整と合わせて保守的に見るのであれば、均等割と合わせて40%を見ておけば問題ないでしょう。
予定申告・中間申告は考慮されていない
事業年度中に予定申告又は中間申告で法人税・消費税を納めていても、
その金額は納税額試算には反映されていません。
したがって、予定申告又は中間申告をしている場合には納税額試算から差し引く必要があります。
税務調整は考慮されていない
税務調整(税引前利益⇒課税所得にするための調整)は試算には反映されません。
例えば、前事業年度から繰り越された欠損金(赤字)がある場合には、
試算上税引前利益から差し引かなければ正確な試算は出ません。
その他、損金(法人税法上の費用)にならなかった
減価償却費、役員給与などがあれば税引前利益に加算する必要があります。
税務調整が多くある法人の場合、試算が大きく変わることもあります。
前事業年度の法人税申告書(別表4という様式)を見て、
どのような調整があるのかを確認しておいたほうが良いでしょう。
まとめ
freeeでの納税額試算機能と、その注意点について解説しました。
より正確な試算をしたい場合には税理士に相談することをお勧めしますが、
おおよその金額の参考にはなります。是非ご利用してみてください。