クラウド会計(freee、マネーフォワードクラウド)をお使いの方がe-Tax(電子申告)で所得税の確定申告をする場合の方法・手順(平成30年分)

クラウド会計(freee、マネーフォワードクラウド)をお使いの方であれば、e-Tax(紙ではなく電子で申告書を提出する方法)を考えている方も多いのではないでしょうか。

平成30年分の確定申告より、電子申告の方法について改正がありました。

本投稿では、その改正にも触れつつ、クラウド会計をお使いのフリーランスの方の具体的なe-Taxの方法について説明します。

 

目次

平成31年1月1日よりe-Taxの方法が2種類に

平成31年1月1日より、e-Taxの方法が変わります。

平成31年1月1日以前は、e-Taxをするには

  1. ID(平成31年1月以前は「利用者識別番号」と呼ばれていました)・パスワード → 国税庁HPから取得
  2. マイナンバーカード → お住まいの市区町村にて取得
  3. ICカードリーダライタ → 家電量販店にて購入

3点が必要でした。

平成31年1月1日以降は、マイナンバーカード・ICカードリーダライタが必要でない「ID・パスワード方式」が追加されました。

ID・パスワード方式であれば、マイナンバーカードを取得していない人でも電子申告ができます。

これによって電子申告の促進が期待されているようです。

ただしID・パスワード方式にはいくつか注意点があります。

  1. 国税庁HPで取得したID・パスワードを税務署に持っていき「本人確認」の手続を行わなければならない(本人確認は管轄の税務署でなくてもよく、所要時間は10分〜30分程度。)
  2. 「確定申告書作成コーナーで作成したもの」にしか使えない(例えばfreeeで直接e-Taxする場合、e-Taxソフトでe-Taxする場合には使えない)
  3. 電子申告後に送られる「メール詳細」を格納する「メッセージボックス」を閲覧できない(閲覧にはマイナンバーカードが必要)
  4. あくまでマイナンバーカード方式に移るまでの「暫定」措置であるため、終了になる可能性がある(3年ごとに見直し)

これらの改正点を踏まえ、クラウド会計(freee、マネーフォワードクラウド)をお使いの方がe-Taxをする場合の具体的な方法と手順を確認していきます。

 

freeeをお使いの方のe-Taxの方法

freeeをお使いの方は、以下の2通りのe-Taxの方法(申告方式で考えれば3通り)が考えられます。

 

①freeeからe-Tax(マイナンバーカード方式)

まずマイナンバーカードを持っている方は、迷わず①のfreeeからe-Taxを選びましょう。

freeeの場合、後述するマネーフォワードクラウドと違いfreeeから直接e-Taxできるので大変便利です。

医療費やふるさと納税等の添付書類もほとんどのものに対応しており、入力すれば書類の送付は不要です。

参考:

会計freeeの「第三者作成書類の添付省略」の対応状況 – freee ヘルプセンター

ただ一部の書類には対応していないので、これらの取引がある場合には別途書類を税務署へ郵送する必要があります。

 

②確定申告書作成コーナーからe-Tax(マイナンバーカード方式)

マイナンバーカード方式で国税庁の運営サイト「確定申告書作成コーナー」からe-Taxができます。

(この確定申告書作成コーナーは非常に良くできたサイトで、初心者の方でも使いやすいものになっています。)

freeeで対応していない書類(特定口座年間取引報告書、政党等寄附金特別控除の証明書など)を作成する必要がある人は、こちらの方法も検討の余地はあります。

ただ、この方法の場合にはfreeeから直接e-Taxをすることができないためファイル操作や、転記等の作業が発生します。

流れとしては、以下のとおりとなります。

その1 freeeでe-Tax用のファイル(青色申告決算書 + 確定申告書B。.xtx形式)をダウンロード

freeeにおいて完成した確定申告書・青色申告決算書を見ながら確定申告書作成コーナーに転記しても良いのですが、なるべくできあがっているデータは利用したほうが良いでしょう。

確定申告書作成コーナーはfreeeの確定申告書のデータは利用できませんが、青色申告決算書は利用できます。

まずfreeeの確定申告メニューから、e-Tax用のファイル(xtx形式)をダウンロードします。

 

その2 e-Taxソフト(デスクトップ版)に組み込み、申告書データを削除、青色申告決算書のみにする

freeeからダウンロードしたxtxファイルは青色申告決算書+確定申告書Bであるため、申告書データを削除して青色申告決算書のみのxtxファイルにする必要があります。

削除はe-Taxソフト(デスクトップ版)を使って行います。

青色申告決算書のみにしたら、e-Taxソフトの「切り出し」(ファイルを外部に保存すること)を行います。

 

その3 確定申告書作成コーナーで申告書を作成

(確定申告書作成コーナーを利用するには、事前にセットアップ等が必要です)

確定申告書作成コーナーで「e-Taxで提出する」を選択すると、「マイナンバーカード方式」「ID・パスワード方式」を選べるので「マイナンバーカード方式」を選択します。

申告書を入力する画面に移るので、

freeeの申告書データを見ながら、確定申告書作成コーナーへ数値を転記します。

その4 青色申告決算書ファイルを添付

先程切り出した青色申告決算書のxtxファイルを、添付します。

(申告書データをすべて入力し、最後の最後「送信準備」で可能となります)

次の画面にいくと、送信するデータを選択する画面がでてくるので、青色申告決算書のデータを参照して選択します。

その5 マイナンバーカードで電子申告

マイナンバーカードを使って電子申告を行います。

 

その2、その3にありますとおり、この方法ですと

freeeの申告書データをそのまま利用することができず、ファイルを操作したり、確定申告書作成コーナーへ転記する作業が発生します。

せっかくfreeeにはe-Taxまで完結する機能があるのに作業が発生してしまうため、freeeで対応していない添付書類が多い場合、事業所得以外の所得(配当所得、株の譲渡所得など)が多い場合等、ケースは限定されるかと思います。

 

③確定申告書作成コーナーからe-Tax(ID・パスワード方式)

確定申告書作成コーナーからは、マイナンバーカードがなくてもID・パスワードがあればe-Taxができます。

手順は②と同じですが、最初の選択を間違えないようにします。

マイナンバーカードの認証が必要ない点だけ異なります。

なお、送信した証明となるメッセージボックスに送られてくる「受信通知」がID・パスワード方式の方の場合は閲覧できないため、確定申告書作成コーナーから送信したときの「即時通知」「送信した確定申告書」をその場で忘れずに印刷しておきましょう。

こちらの方法は、前述したとおりメッセージボックスを見ることができない、暫定措置であるため

どうしてもマイナンバーカードを取れない方向けです。

 

④freeeをお使いの方のe-Tax方法まとめ

freeeをお使いでマイナンバーカードを持っている方であればまず①freeeからe-Taxを選びましょう。

freeeで対応していない添付書類がある、事業所得以外に所得がある場合など②確定申告書作成コーナーからe-Tax(マイナンバーカード方式)も検討の余地はあります。

マイナンバーカードがない(事情があってどうしても取れない)場合には③確定申告書作成コーナー(ID・パスワード方式)を検討しましょう。

※実際は上記の他にも「e-Taxソフトを使ってマイナンバーカードで電子申告」という方法もありますが、あまり現実的ではないので説明は省きます。

 

 

マネーフォワードクラウドをお使いの方のe-Taxの方法

マネーフォワードクラウドをお使いの方がe-Taxを行う場合には、以下の方法が考えられます。

①e-Taxソフトからe-Tax(マイナンバーカード方式)

freeeとは違い、マネーフォワードクラウドはソフトから直接e-Taxを行うことができません。

あくまで「e-Taxに対応したファイル(xtx形式)をダウンロードできる」にとどまります。

従って順序としては

マネーフォワードクラウドからxtxファイル(申告書+青色申告決算書)をダウンロードする

e-Taxソフト(デスクトップ又はWeb版)に組み込み、マイナンバーカード方式で電子申告

となります。

注意点としては、マネーフォワードクラウドでは医療費控除、寄附金控除等の明細データが作れないということです。

つまりこれらの控除がある人は別途e-Taxソフトで明細を作成する必要があります。(又は別途郵送)

e-Taxソフトは非常に使いづらいので、添付書類がたくさんあるという方はこの方法はお勧めしません。

 

②確定申告書作成コーナーからe-Tax(マイナンバーカード方式)

マイナンバーカード方式で国税庁の運営サイト「確定申告書作成コーナー」からe-Taxができます。

(この確定申告書作成コーナーは非常に良くできたサイトで、初心者の方でも使いやすいものになっています。)

マネーフォワードクラウドをお使いの方で、マイナンバーカードを持っている方であればこの方法が現実的かと思います。

ただしいくつかファイル操作や、転記等の作業が発生します。

手順は、以下のとおりです。

その1 マネーフォワードクラウドでe-Tax用のファイル(青色申告決算書 + 確定申告書B。.xtx形式)をダウンロード

確定申告書作成コーナーでも青色申告決算書は1から作成できますが、なるべくできあがっているデータは利用したほうが良いでしょう。

確定申告書作成コーナーではマネーフォワードクラウドの確定申告書のデータは利用できませんが、青色申告決算書は利用できます。

まず申告書印刷メニューから、e-Taxソフト用ファイル(xtx形式)を選択してダウンロードします。

 

その2 e-Taxソフト(デスクトップ版)に組み込み、申告書データを削除、青色申告決算書のみにする

マネーフォワードクラウドからダウンロードしたxtxファイルは青色申告決算書+確定申告書Bであるため、申告書データを削除して青色申告決算書のみのxtxファイルにする必要があります。

削除はe-Taxソフト(デスクトップ版)を使って行います。

データを組み込み、申告書を削除して青色申告決算書のみのファイルにしたら、切り出し(外部に保存)します。

 

その3 確定申告書作成コーナーで申告書を作成

(確定申告書作成コーナーを利用するには、事前にセットアップ等が必要です)

確定申告書作成コーナーで提出方法を「e-Tax」選択すると、「マイナンバーカード方式」「ID・パスワード方式」を選べるので「マイナンバーカード方式」を選択します。

申告書を入力する画面に移るので、

マネーフォワードクラウドの申告書データを見ながら、確定申告書作成コーナーへ数値を転記します。

 

その4 青色申告決算書ファイルを添付

先程切り出した青色申告決算書のxtxファイルを、申告書に添付します。

(申告書データをすべて入力し、最後の最後「送信準備」で可能となります)

次の画面にいくと、送信するデータを選択する画面がでてくるので、青色申告決算書のデータを参照して選択します。

その5 マイナンバーカードで電子申告

マイナンバーカードを使って電子申告を行います。

 

通常添付書類がまったくない方も少ないかと思いますので、

マネーフォワードクラウドをお使いの方であれば①のe-Taxソフトを使う方法ではなくこちらの確定申告書作成コーナーを利用し、青色決算書を添付してe-Taxする方法が良いと思います。

 

③確定申告書作成コーナーからe-Tax(ID・パスワード方式)

確定申告書作成コーナーからは、マイナンバーカードがなくてもID・パスワードがあればe-Taxができます。

手順は②と同じですが、最初の選択を間違えないようにしましょう。

マイナンバーカードの認証が必要ない点だけ②と異なります。

なお、送信した証明となるメッセージボックスに送られてくる「受信通知」がID・パスワード方式の方の場合は閲覧できないため、確定申告書作成コーナーから送信したときの「即時通知」「送信した確定申告書」をその場で忘れずに印刷しておきましょう。

こちらの方法は、前述したとおりメッセージボックスを見ることができない、暫定措置であるため

どうしてもマイナンバーカードを取れないという方向けです。

 

 

 

④マネーフォワードクラウドをお使いの方のe-Tax方法まとめ

マネーフォワードクラウドをお使いでマイナンバーカードを持っている方であれば②確定申告書作成コーナーからe-Tax(マイナンバーカード方式)をまず検討しましょう。

もし添付書類がほとんどない、e-Taxソフトで1から明細を作成するので構わないという人であれば①e-Taxソフトからe-Tax(マイナンバーカード方式)もありです。

マイナンバーカードがない(事情があってどうしても取れない)方の場合には③確定申告書作成コーナーからe-Tax(ID・パスワード方式)を検討しましょう。

 

受信通知・控えの印刷方法(マイナンバーカードをお持ちの方)

確定申告書作成コーナーで提出し終えた後は、控えを保存しておきましょう。

確定申告書、青色申告決算書の送付の受信通知・控えはe-Taxソフト(Web版)のメッセージボックスからすべて印刷できるようになっています(閲覧にはマイナンバーカードが必要)。

送信後に確認し、PDF化しておきましょう。

(ID・パスワード方式の方の場合はメッセージボックスを見ることができないため、受信通知の印刷はできません。

確定申告書作成コーナーで送信した際の「即時通知」と作成した確定申告書を忘れずに印刷しておきましょう。)

 

まとめ

クラウド会計(freee、マネーフォワードクラウド)をお使いの方がe-Tax(電子申告)する場合の方法・手順(平成30年分)をまとめました。

平成30年分から「ID・パスワード方式」が導入されたため「よりe-Taxが簡便にできる」と思いがちですが、実際は一筋縄ではいかないようです。

クラウド会計ソフトをお使いの方で、今年からe-Taxに挑戦してみたい、という方がいたら参考にしていただければと思います。


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