Last Updated on 2025年3月10日
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RSUの権利確定時に申告しなくてもバレない?
従業員のインセンティブ向上のため、「RSU」(Restricted Stock Unit)を付与する外資系企業が多いです。
RSUの確定申告のタイミングは、①権利確定時と、②売却時です。下記の記事に詳しく書きました。
「売却したときはまだしも、権利確定時はまだキャッシュも入ってないのに…」
「というか、権利確定時は取引所も通してないし、確定申告しなくてもバレないんじゃない?」
と思われる人も多いと思います。
しかし、バレてしまう仕組みがあります。それが今回紹介する「外国親会社等が国内の役員等に供与等をした経済的利益に関する調書」(←長い)です。
会社は、誰にRSUが付与されたかを税務署に報告している
実は、勤めている会社は
「◯◯さんに、親会社からRSU◯◯円分が付与されました」
ということを毎年報告しています。
それが、「外国親会社等が国内の役員等に供与等をした経済的利益に関する調書」というもので、フォーマットは以下のとおりです。

見てのとおり、
- 供与等(Vest)の年月日
- 経済的利益の内容(「株式の交付、金銭の支払い」等)
- RSUの価額(ドル等)
- 株式又は権利数、1単位あたりの金額
- 権利付与(Grant)時の情報
- 外国親会社の情報
この調書の期限は、RSUが付与された年の翌年3月31日です。
つまり、RSUが付与されたとき、翌年3月末までに会社は皆さんに付与されたRSUについて税務署に詳細を報告しているのです。
過去分を狙い撃ちしてくることも
外資系企業にお勤めの会社員の方に、
「過去数年分のRSUの申告の調査が入り、大騒ぎになった」
ということを聞きました。
特に、海外のスタートアップの場合、
日本の子会社には間接部門がおらず、
経理もインドなど東南アジアの協力会社に丸投げをしているところも多いのだとか。
当然、そのような会社はこの調書についても認知していないですし、
日本の税金ルールも知らないため、従業員にも確定申告の注意喚起がされません。
そのため、申告が必要だった方が無申告のまま数年が過ぎてしまった…ということもあるようです。
そのような事態を避けるためにも、
RSUやストックオプションなど、なんらかの利益が与えられたときには
「確定申告は?」
と考えるクセをつけたおいたほうが良いでしょう。