消費税に関しては、一度は税理士に相談をすることをお勧めします

Last Updated on 2021年4月2日

クラウド会計ソフト等の便利なソフトにより、

専門家でなくても決算・申告ができる環境が整ってきました。

とはいえ、

いままで問題なく行ってきた人でも

「一度は税理士に相談した方が良い」

税金があります。

それは、消費税です。

なぜ相談した方がよいのか。その理由を説明します。

 

書類の要件がある

1つ目は、保存しなければいけない書類の要件が厳しい点です。

消費税は、原則預かった消費税から支払った消費税を差し引いて計算します。

この「支払った消費税」

を証明するために、書類の要件があります。

具体的には支払先の氏名、年月日、内容、支払額(消費税含め)が明らかになっていなくてはいけません。

請求書、領収書の保管を今まで以上にしっかり行う必要があります。

 

課税方法が複雑

課税方法が複雑である点も理由の1つです。

消費税は、前々年又は前々事業年度の課税対象の売上が1,000万円を超えたら納税義務が発生します。

このルールだけだったら良いのですが、ほかに細かいルールがいくつもあります。

  • 免税事業者なのに、自ら課税事業者を選択する方法もある(主に免税・不課税売上の多い業種)
  • 消費税の計算方法として、原則課税と簡易課税がある
  • 原則課税で支払った消費税を計算する方法には、個別対応方式と一括比例配分方式の2通りがある

その他、

10%課税、8%課税(軽減税率)、非課税、免税、対象外

などの税区分を理解した上で会計処理をする必要があります。

申告書作成も複数税率になってから複雑になりました。

これらを正しく、的確に行うには

正しい理解が必要です。

 

届出書・申請書の提出期限がある

消費税の難しい、怖い点は

上記の通りいくつか選択肢があるなかで、

自ら将来を予測して選択し、必要な届出書・申請書を提出期限までに提出しなければいけないことです。

例えば、原則課税と簡易課税の選択です。

 

原則課税は預かった消費税から支払った消費税を差し引いて納める消費税を計算します。

一方簡易課税は売上の消費税から簡易的に納める消費税を計算します。

一般的には、仕入れなどが発生せず経費のほとんどが給与の会社の場合簡易課税の方が有利です。

しかし、たまたま翌事業年度に多額の設備投資を予定していたら、

原則課税の方が有利になる可能性があります。

この場合、その設備投資をしている事業年度の前事業年度末(届出書の提出期限)

までにその判断をして、簡易課税をやめる・やめないの判断をしなければなりません(簡易課税は2年縛りもあります)。

 

さらに2021年4月現在、

仮にコロナ等の影響で届出書を提出できなかった場合、特例も検討する必要もあります。

新型コロナで業績が悪化している事業者の方向け−消費税の届出書の特例があります

 

このように、選択肢がいくつもあり、

届出書1つで納税額に大きな影響がでてしまう消費税に関しては

自己判断だけでは難しい面もあります。

 

2023年10月にインボイス制度が始まる

さらに消費税の相談をお勧めする理由として、

2023年10月に始まるインボイス制度が挙げられます。

免税事業者のフリーランス・中小企業に影響のある2023年10月から始まるインボイス制度とは?

インボイス制度は、支払った消費税に、支払先が課税事業者であることを証明する「インボイス」が必要となる制度です。

このため、免税事業者であるフリーランス・中小企業は必然的に

課税事業者への選択を迫られる、という内容を上記の記事に書きました。

したがって現在免税事業者である方も、

将来的には消費税は関わってくる問題です。

早めに確認し、理解できない部分は専門家に相談しましょう。

 

まとめ

消費税に関しては、一度は税理士に相談をすることをお勧めする理由を書きました。